item 余生をどう送るか

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written 2009/5/21

 7年くらいの長きにわたって「サイト運営」をし、たまに休息しながらも、とりわけやっきになって「作曲」に取り組んできたのだった。
 こうした夢中の努力は、やはり自分が若さに任せてエネルギーを費やしてきたたまものだったろう。
 自己の思考を突き進めながら、苦しみの中で重ねてきた「作曲」という冒険は、しかし、とりあえず「残酷な小曲集」の数曲のうちに、その最終的境地を見いだした。それらは未完成な・無価値な作品かもしれないが、私が音楽上でなしうることの可能性の、極限ぎりぎりの地点まで開示して見せたものだった。
 そして、昨年無謀にもふと試みた現代音楽系の「作曲コンクール」に「Mantra」で見事落選し、私の「冒険」は終局を迎えた。つまり私の音楽上の「冒険」は、「社会」と接触しえないままに終わった。
 
 私はまだ作曲することができるし、新たな試みを重ねることだってできる。
 が、今は意欲がない。そうした「営み」が、「企図」が、ある種の人間的「作為」が、すでに私にはわずらわしい。
 為すことは常に虚しく、為さぬことを見いだすことこそが、最後の道というわけだ。

 馬鹿馬鹿しいこの世を、まだ生きていかなければならないとするなら、いかにして余生を過ごそうか?
 相変わらず私は音楽を聴き、考えることだろう。そしてときおり、書くことだろう。あるいは再び作曲してみる場合もあるかもしれない。
 何よりも私はまた、本を読み続けるだろう。益がありそうで結局はなさそうなこの習癖、しかし、私は子供の頃から本が好きだった。ただそれだけのことだ。

 そして生などというばかげた夢はいつか終わり、私は完全な無為/沈黙の中に還流されていくだろう。
 この馬鹿げた「余生」は、他のあらゆる馬鹿げた生と同様に、誰にも意味を与えるまい。
 だから私はいっそ、何も為すまい。

 ・・・それで、静寂はいつやってくるだろう?

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